イスラームにおける環境保護(2/7):天然資源の保護

この宇宙全体の創造物の構成要素からは、すべてに浸透する神の影響力とその叡智を見出すことが出来ます。それは全能の創造主の存在を証明しているのです。聖クルアーンは、人間にそれを感じ取ることが出来るかどうかに関わらず、宇宙のあらゆる物、そしてあらゆる生物は主に二つの役割を果たすことを明確にしています。それは創造主の存在とその永遠なる叡智、偉力、恩寵を証明する宗教的役割、そして人類を含む全生物に奉仕する社会的役割です。

神はその叡智により、創造物が相互扶助をするよう定められました。神によって測量を指定された元素は、すべてがなくてはならない重要なものであり、それぞれが決められた役割を与えられることによって、全創造における機能上のバランスを保ちます。天然資源の過度の搾取、乱用、酷使、破壊、汚染は、すべてが神の計画に対する行き過ぎた行為なのです。狭い視野によってもたらされる利己主義は、常に人を誘惑し、神より定められた機能的な均衡を乱すことにつながるため、あらゆる乱用から天然資源を守ることは義務行為です。

全創造物が相互扶助をするよう定めた神の計画における叡智とは、すべてのものが人間に奉仕するようにしたことです。しかし、それらが創造されたのは人間に奉仕するためだけではありません。ムスリムの法学者らも、それらが創造された目的は人間への奉仕のためだけではないという主張を支持してきました。神はこのように述べています:

“アッラーこそは、天と地を創造され、天から雨を降らせ、これによって果実を実らせられ、あなたがたのために御恵みになられる方である。また船をあなたがたに操縦させ、かれの命令によって海上を航行させられる。また川をあなたがたの用に服させられる。またかれは、太陽と月をあなたがたに役立たせ、両者は飽きることなく(軌道)を廻り、また夜と昼をあなたがたの用に役立たせられる。またかれはあなたがたが求める、凡てのものを授けられる。仮令アッラーの恩恵を数えあげても、あなたがたはそれを数えられないであろう。人間は、本当に不義であり、忘恩の徒である。”

(クルアーン 14:32−34)

また、神は同様の節で、創造はアダムの子のためだったのであると宣言しています。神は深遠なる叡智からそれらの目的を高く掲げ、人間への奉仕以外にもそれらに目的を持たせつつ、アダムの子に対しては、それらの創造物の利益と、人類に与えた恩恵を明確にしたのです。1

あらゆるものの社会的役割は極めて重要ですが、創造主のしるしとしての全創造物の主要な役割は、環境保護への最も有効な法的根拠を成しています。私たちの環境の保護に関しては、私たちの必要性のみに応じた役割だけを根拠とすることはできません。なぜならそれらの役割は、価値観と道理のみに基づいたものだからです。

私たちは、全てのものの有益な役割について知ることは出来ません。人類への環境面における有益性のみに基づいて、私たちが環境保護の努力をすることは、神の定めた均衡の仕組みを歪めることになるでしょう。それは環境的な利益をも損なうことになります。しかし、私たちがそれらが神のしるしであるという価値観で環境保護を行うのなら、そこからは何も除外することが出来ません。あらゆる要素や種は、それぞれが神を賛美する独自の役割を担っており、それらはその存在と利用によって創造主の存在、神の無限の力、叡智、そして慈悲を人間に気付かせるのです。創造の要素や種に対しては、いかなる故意の破壊や損失を是認することも不可能ですし、または後世代の存在が、意図されたすべての側面において神の栄光、叡智、偉力の熟考へと私たちを導いてくれると考えることも不可能です。実に、種は特性において異なっており、それぞれは神の栄光を独自の方法で証言するのです。

さらには人類だけでなく、家畜や野生動物も地球の資源を活用する権利があります。水、空気、土地や土壌などの資源や、動植物といった他の生物への人間による乱用や汚染は禁じられています。そして生物と無生物を含む、あらゆる資源の最も有効な活用が定められているのです。

さらには人類だけでなく、家畜や野生動物も地球の資源を活用する権利があります。水、空気、土地や土壌などの資源や、動植物といった他の生物への人間による乱用や汚染は禁じられています。そして生物と無生物を含む、あらゆる資源の最も有効な活用が定められているのです。

  1.  Taqi ud-Din Ahmad ibn Taymiyah in Majmu ‘al-Fatawa.


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