イスラームにおける罪と罰(2/5):イスラームにおける罰の形式

イスラーム的刑法の特徴

既述の原則において、イスラーム法と現代法には共通事項がありますが、イスラーム法はその登場が遥か昔であるという特徴があります。また、イスラーム的刑法システムには独特な長所および特色もあり、それらの最も重要なものは以下に挙げられるものです:

1.人の良心といった内的な抑止力が、外的な働きかけによって完全に統合すること。これはイスラーム法が犯罪などの社会問題を扱う際、単なる法規定や外的抑止力だけに頼るのではなく、人の良心を最も重要視することによって内的抑止力の方により大きな焦点を合わせているという事実によります。イスラームは人の幼少期からそういった意識を育むことにより、倫理観の高い人物の育成を試みているのです。

イスラームは、善行に励みつつ罪深い者の悲惨な結末に対して警告する者に、成功と救済を約束します。こうして神への信仰、神の慈悲への希望、神の懲罰への恐怖、徳行の固守、他者への愛などの感情を芽生えさせ、犯罪者が会心することを促すのです。

2.イスラームは、個人と社会の関係においてバランスの取れた見解を示しています。このことは、神の法が犯罪に対する懲罰と予防策を規定することによって社会を保護しつつも、社会のために個人を軽んじることのないという事実からも明確です。イスラームはそのようなこととは逆に、個人の保護や自由、そして権利を優先しています。イスラームは人が安易に犯罪に走るような口実を全く残さないよう、あらゆる予防手段を提供するのです。イスラームは、まず個人が清廉で幸せな人生を送ることの出来る状況を準備することなしには、懲罰を与えることがないのです。

イスラームにおける罰則の種類

人生において直面する諸問題に対しての解決案を提示するイスラーム法は、二つの基礎によって成り立っています。つまり基本教義の安定性と永続性、そして補助的訓令のダイナミズムです。

人生の不変的な側面に対し、イスラーム法は固定された法令を提供します。一方社会や知識の発展などに見られるような、人生の流動的な側面に対しては、イスラーム法は様々な方法や状況において適用可能な概括的原則、および普遍的規定をもたらすのです。

これらの原則を刑法システムに適用すると、イスラーム法はいかなる社会においても偏在する犯罪、つまり人間の性質における不変かつ一定の要素に由来するものに対し、明確なテキストによって固定された刑罰を規定していることが分かります。

イスラーム法は諸犯罪に対して、それらの禁令を決定的に示す一般規定を告げることによって対峙し、社会における適切な政治的権威にその処罰の決定を委ねます。そしてその政治的権威は、犯罪者の特定の状況を考慮に入れ、社会を危害から守るための最も適切な方法において決定を下すことが出来るのです。この原則に基づいて、イスラーム法における処罰は以下の3種類の項目に分かれます。

1.規定された罰則

2.報復

3.任意の処罰

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